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SCROLL2018

Algorithmic Couture β

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「Algorithmic Couture β」は、機械学習アルゴリズムによって生成されたモジュール衣服を提供するマスカスタマイゼーションサービスのプロトタイプである。本サービスでは、人体の3Dデータにもとづいて、着用者の身体寸法ぴったりの型紙を自動生成し、これまでパタンナーが担ってきた設計過程を自動化する。生成された型紙はテトリスのように四角形の布帛に最適化され、無駄な廃棄が出ない。さらに、機械学習によって生成された衣服のデザインは、モジュラーパターンによって構成されており、ユーザはオンラインプラットフォームにおいて自分のテイストにあった形、素材、色、素材をカスタマイズすることができる。 従来のファッション産業は、多大な手作業労働と廃棄に依存している。19世紀にはじまるオートクチュール文化に象徴されるように、職人による手作業を特権化し、デザイナーが生み出す極端な「かたち」が価値とされる閉鎖的な文化が長く続いている。しかし今や、情報空間における無数のユーザによる参加が標準となる中、個人が自らのスタイルをデザイン可能な新たな創造性<デジタル・ブリコラージュ>が一層求められている。 本作品が目指すのは、マスカスタマイゼーションによる19世紀・オートクチュール文化のリバイバルであり、人間が自らの身体に対して抱く「個人化<パーソナライゼーション>」の欲求に対して、アルゴリズムがそれを支援する。本作品は、人工知能との共生を前提として、ファッションにおけるデジタルな創造性を探求する。

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CREDIT

Project Lead: Kazuya Kawasaki (Synflux) Design Lead: Kotaro Sano (Synflux) Algorithmic Design: Yusuke Fujihira (Archiroid) Technical Support: Kye Shimizu Design Support Yutaka Ridwan, Hanako Hirata Adviser:Keisuke Nagami (HATRA), Daijiro Mizuno (Kyoto Institute of Technology) Movie: Tomoki Yoneyama Camera Assistant: Tomoyuki Hayama Music: Kenta Tanaka Model: Tamami Ohbuchi, Miki Egashira, Shin Kayoh Image: Tomoki Yoneyama